その筆頭が、小手演じる内木だ。その怪演で映像界では「シンデレラおじさん」とも称される名バイプレーヤー・小手。複数の人物を演じ分けるなか、自虐的な哀愁を漂わせながら全身で演じきる姿には、演劇人としての舞台愛がにじむ。それは冒頭の「演劇をやろう!」という叫びへと帰結し、いくつになっても夢を追うことの素晴らしさを、面白おかしく、しかし確かに伝えてくれた。
かつて演劇に打ち込んでいたという過去を持つ内木を軸に、役者を夢見る二瓶(松田凌)の大仰なセリフ回しや、王道ミュージカルを彷彿とさせる粋なナンバーなど、舞台ならではの仕掛けが随所に散りばめられる。